藤枝市でジャンボ釣り池『葉梨園』を営む池ケ谷さん。
池といっても周囲は約500メートル、直径120メートルと東京ドームほどの広さがある、まさに名前どおりのジャンボぶり。そのスケール感と釣れる鯉の大きさ、元気のよさで人気が高く、一人で、仲間で、家族連れでと多くの太公望が訪れ、のんびりと釣り糸を垂れたり、釣果を競ったり—。
が、15年ほど前は、アオコに悩まされていたといいます。「ここはため池で、排水設備はありますが、給水源は自然の恵みの雨と時折の井戸水。水質は機械での曝気(※)と、年に2回の薬剤での消毒で管理していました。それがいつ頃からか、アオコが大量に発生してきましてね。水面が覆われて水が酸素不足になって汚れ、鯉が皮膚病になったり大量に死んだり、その腐敗臭もひどくて……。除去してもすぐに発生するし、いたちごっこの毎日でした」
そんな折に紹介された『回帰水』を試しに毎日バケツ3杯、池に撒いたところ、2週間でアオコが消失したのです。「底のほうにたまったアオコを網ですくおうとしても、塊がバラバラに分解されていくんです」。
さらに、「トイレに『回帰水』を流すと浄化槽内のバクテリアの繁殖が促され、よりきれいな水が下水に流れていく」と聞き、「水を使って商売している者として、少しでもきれいな水を地球に還元していければ」とPC—03を導入、朝・昼・晩と毎日散水を続けました。その結果、2ヵ月ほどで鯉は元気になり、下水のU字溝もきれいになってきたばかりか、なんとシジミが生息するように! それもシャベルでざくざくすくえるほどに、です。
1年後には40年ぶりに蓮が芽吹き、そのうちに、池のコンクリートの内壁に珪藻が。「だんだん、自然に回帰していくような、生きた池になってきたんです。おかげで薬剤での消毒も不要になりました」。そんな驚きの連続に、近隣にも『回帰水』の重要性を説き続け、今では隣組の半数にあたる6軒が回帰水を導入しているのだそう。
最近ではきれいな水じゃないと生息できない川エビも見られるようになり、今も1日3回の散水を欠かさない池ケ谷さん。
「この地でお世話になって40年、親子3代にわたって通うお客さんも珍しくありません。ここで味わった経験や思い出が、自分の子どもたちへ、そしてまた次の世代へと受け継がれていくよう、『回帰水』での健やかな環境づくりに務めます。それが地域の方達への恩返しであると同時に、次世代への使命だと思っています」
※曝気……空気と排水とを接触させて酸素を供給すること。水質の浄化を行う微生物に酸素を供給する基本的な方法。